コインパーキングほど儲かる商売はない? [タウンマネジメント概論]
改正道交法が施行されまして(昨日6/1)、中心市街地の違法駐車取締りが厳しくなった今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
中心市街地の交通対策および駐車場対策をますます真剣に考えなければなりませんね。
さて、駐車場と言えば、ここ数年小倉都心地区においても「コインパーキング」が急増しております。特に、長崎街道沿いの「室町エリア」や「京町4丁目」あたりでは建物とコインパーキングが交互に並んでいると言っても過言ではない程です。
道交法の改正もあり、中心市街地においても駐車場収容台数を充実させなければならないという意味では、コインパーキングの増加も必ずしも悪いと言うわけではありません。しかし、一方でTMO8事業のうちの一つでもある「テナントミックス」にとっては、虫食いのようにコインパーキングが侵食してくることにより魅力的な店舗の並びが阻害されてしまうことは望ましいことではありません。
しかし、これだけコインパーキングが増えるのは、当然事業として儲かるということですよね。いったい、どれくらい儲かるものなんでしょうか。ラフに計算してみると…
■月間売上高
※昼間(8:00~22:00)
時間当たり300円 × 14時間 × 稼働率70% × 台数20台 × 30日 = 1,764,000円
※夜間(22:00~8:00)
時間当たり100円 × 10時間 × 稼働率20% × 台数20台 × 30日 = 120,000円
昼夜間合計 1,764,000円+ 120,000円 = 1,884,000円
■経費
・機械リース料 400,000円/台 × 20台 × 1/60(5年リース) ≒ 133,000円
・管理費 55,000円
・保守点検費 73,000円
・電気代 5,000円
・保険代 8,000円
※経費計 274,000円
■利益 1,884,000円 - 274,000円 = 1,610,000円
売上高対利益率 1,610,000円 ÷ 1,884,000円 = 85.5%
う~ん、これはかなり美味しいビジネスですねえ。利益率の高さも魅力的ですが、リースを活用すれば初期設備投資もゼロで済みますし、現金日銭商売ですから売掛金や未集金も発生しませんし資金繰り(キャッシュフロー)の心配もいりません。
みんながコインパーキングにしたがるのも頷けますね。
いくら「街のため」「テナントミックスのため」とは言え、コインパーキングにせずに、わざわざリスクを背負って借金をして建物を建てて商売をやって下さい、とは現実的には言いにくいですよね。
やはり、このような現実を踏まえた上で、税制や店舗への補助制度などの仕組みを作らないと、テナントミックス事業も絵に描いた餅のままで現実的に進まないでしょうねえ。
このような具体的な試算はとても参考になります。当事者でもなくコンサルタント業でもない立場で、それなりに中心市街地活性化について関心を持っていて「ハード整備ではないだろう」とは思っていますが、このような眼前にあるひとつひとつの具体的課題を踏まえた前進なのだということが鮮明に理解できました。
by りゅうさま (2006-06-02 22:07)