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東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ [小倉のこと]

昨日は「母の日」でしたが、丁度、リリー・フランキーの「東京タワー ~~オカンとボクと、時々、オトン~」を読み終わりました。前評判どおり、私も感動して思わず涙が溢れてきました

リリー・フランキー

http://www.lilyfranky.com/top/

東京タワー ~~オカンとボクと、時々、オトン~
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594049664/kitakyushutow-22%20/ref%3Dnosim/250-8947490-8484245

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

 

 

 

初版から既に約一年が経っているのですが、「2006本屋大賞」に選ばれ、フジテレビ系ドラマ化も決定されたためか、本屋でも一番目立つところに並んでいますね。

■東京タワー通信
http://www.fusosha.co.jp/tokyotower/

すでに「国民的名作」との呼び声の高い作品ですが、この作品はリリー・フランキーとそのオカンとオトンの「家族の物語」であると同時に、「小倉の物語」でもあります。

リリー・フランキーは北九州市小倉で生まれ、4歳の時にオカンと一緒に筑豊(旧宮田町)に引っ越しましたが、オトンは小倉で別居していたし、オトン方のおばあちゃんも小倉にいたため時々小倉に遊びに出てきています。
なので、小説の中でも、小倉の街の風景が色々と出てきます。
オトンが仕事で関わっていた小倉駅近くのトルコ街(←小説の表現のまま)や、市場や鍛冶町あたりのスナックなどいかにも小倉らしいと言えば小倉らしい風景です。

一番、らしいと言えば、ひたすらマイペースで人の話を聞かないオトンの性格が小倉っ子らしいし、60歳を過ぎて初めて東京に住んだにもかかわらず息子の友達や仕事仲間にご飯をふるまって仲良くなれるオカンのキャラクターも筑豊らしいと言えるかもしれませんね。

この小説の素晴らしいところは、もちろんオカンが癌で死ぬと言う結末に至る小説ですから涙が出てくるのは当然なのですが、それを読者を泣かせようとして悲しい物語に仕立てようとしたり、必要以上の修飾をしようとしていないことです。
この小説は、ひたすら淡々と小倉や筑豊の街の風景や、日常のご飯のメニューを描写し続けるだけです。オカンの死と同時にそれらも喪失されることになるわけで、「家族の死」であると同時に「故郷の死」でもあるわけです。

もちろん人それぞれ故郷があって、故郷を喪失することは誰にとっても寂しいことではあるでしょうが、この小説がこれほどの名作となったのは、やはり舞台となった故郷が「小倉」(及び「筑豊」「別府」)だったからではないかと私は思うのです。なぜかと聞かれると上手く答えられないのですが、なんとなくそう思うのです。それが小倉の良いところのような気がするのです。

小説やテレビドラマを見た人で小倉に来たことがない人は、是非一度、小倉の街を見に来て欲しいですね~。

小倉所縁の作家と言えば、森鴎外、松本清張、杉田久女、橋本多佳子などが有名ですが、国民的名作を生み出したリリー・フランキーも新たに加えるべきでしょうね。

■森鴎外と松本清張
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=2261

■杉田久女、橋本多佳子
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=1526


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