第3セクターによる再開発 [タウンマネジメント概論]
昨日の飯塚市中心市街地視察の際には 「あいタウン」 にも立寄ってきたのですが、開業当初2~3階に出店していたベスト電器が退店した後が巨大な空き区画になっていて、なかなか大変そうでした。
◆あいタウン
http://www10.ocn.ne.jp/~yoshisai/
「がんばる商店街77選」の記述には、
一方で、平成15年11月には吉原町再開発ビルである「あいタウン」がオープンし、中心商店街の回遊性の拡大に向け空き店舗対策によるテナントミックスを行うことにより、地域に不可欠な魅力ある商店街の形成と新規来街者の誘引を図った。
また、中心市街地が一体となって様々なイベント事業に取り組む事で「あいタウン」との回遊性も増し、土日の来街者増が期待できる。さらには、中高年齢者・環境問題などNPOや学生など様々な団体等と連携することにより、時代に即応した活性化事業の実施が可能になると思われる。
と書かれてありますが、中心市街地活性化のための起爆剤として行われた再開発が真っ先に苦しくなってしまう、所謂「ミイラ取りがミイラに」という事例は全国に暇がありません。
いつも拝読させて頂いている「経営からの地域再生・都市再生」ブログでも、ちょうど本日の記事において青森市の駅前再開発事業である 「アウガ」 の事例が論じられています。
◆アウガの債権放棄とコンパクトシティストラテジーのコスト
http://blog.revitalization.jp/?day=20080522
これまで、 「中心市街地活性化」 や 「コンパクトシティ」 の先進事例として各処において紹介されてきた「アウガ」だけに、中活関係者にとっても由々しき話題かと思われます。
この手の再開発の破綻事例、かつ旧TMOの失敗第1号としてすぐに思い浮かぶのが佐賀市の 「エスプラッツ」 ですが、WEB検索してみると下記のブログにヒットしました。
◆エスプラッツ
http://splatz.sagafan.jp/
とりあえずブログは稼動しているようですね。昨年 「アスタラビスタ」 などのテナントが入店して再出発してからの現場は私は見ていないので、機会があったら見てみたいところです。
当ブログでは、経済産業省の「中心商店街再生研究会」ネタを度々取り上げていますように 「まちづくり会社」 を活用したエリアマネジメント手法に大変興味を持っているのですが、ただ念のために言っておきますが、上記のように全国に苦戦事例が数多いことからもわかるように、このような再開発というものには大きなリスクが付きまといますので手放しで何でもかんでもお勧めしているわけでもありません。たとえ、丸亀町商店街方式のように、定期借地方式やファンド活用によるリスク分散を極限まで行ったとしても、まったくのゼロリスクということは世の中有り得ませんからね。
◆中心商店街再生研究会
http://www.machigenki.jp/modules/tinyd15/
だからと言って、ちょっとでもリスクがあったら手を出さない、というのでは中心市街地はいつまで経っても変化しません。
少なくとも、北九州まちづくり応援団株式会社は、中活法で定めるところの市街地整備系まちづくり会社(Aグループ)の要件を満たすようにするために昨年の12月に第3セクター化しているわけですので、今後第3セクターである応援団㈱にどのような事業を行ってもらうのかは重要な論点です。
幸か不幸か、北九州市には「黒崎コムシティ」という、第3セクターによる駅前再開発事業の失敗事例の最たるものがあるわけです。「失敗は成功の母」という格言がありますように、コムシティの失敗というノウハウを今後の都市経営にどう生かしていくかというのは北九州市にとっては大きいことかと思われます。
分相応の規模で計画ができるかどうかだけでしょう。
西小倉駅前の再開発を見る限り何も学習していませんね。
旦過とか、百万回復を目指さない方向だとかいうところからは多少学習効果が出ている予感もしないではありませんが。
by NO NAME (2008-05-23 00:02)