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人の振り見て我が振り直せ [中心市街地のこと]

昨日の当ブログにおいて、熊本県の「大型店の立地に関するガイドライン」について言及しました。

■大型店の立地に関するガイドライン (熊本県)
http://www.pref.kumamoto.jp/sec_img/0040/200618213942019.pdf

熊本の場合、他県と比べても次々に郊外に大型SCが出店しており、このようなガイドラインを定めたくなる気持ちはわからないでもないです。ただ、この施策が、本音のところで意図しているであろう「中心市街地の保護」につながるかどうかについては、ものすごく微妙なところですよね。

そもそも、当ケースに限らず一般的に「中心市街地活性化」を行う際の理屈づけとして、「中心市街地や商店街は地域に貢献しているけれども、郊外SCは地域コミュニティを壊したりして悪影響を与えている」というステレオタイプな考え方があります。「だから、郊外大型SCも地域貢献をしなさい!」というのがガイドラインの主旨ですね。

しかし、郊外大型SCが本当に地域貢献をしていないと言い切れるのでしょうか。

イオン側の提出した「特定大型店出店計画書」を見ればわかるのですが、むしろ「大型店は地域貢献を行っている」ということをクローズアップする結果になっています。

■特定大型店出店計画書
http://www.pref.kumamoto.jp/sec_img/0040/200605174838029.pdf

例えば、

・「イオン1%クラブ」を設立して「国際交流事業」や「環境保護事業」を行っている。

・財団法人イオン環境財団を設立して、「イオンふるさとの森づくり」を国内外で実施している。

・「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」として買い上げ額の1%を地域ボランティア団体等に寄贈している。

・SC内のホールや広場や駐車場を開放して、地域に根ざしたイベントの開催や地域住民の文化的活動・発表の場としたり、交流の場として利用してもらっている。

・近隣の鉄道駅や商店街や既存施設等を連結するバスを運行している。

・地元の商品等を取り扱っている。地産地消の思想を取り入れた売場作り。

・多数の雇用の創出

・災害の際の、避難場所の提供、バルーンシェルターの提供、水道水・食料・トイレの提供

などが挙げられています。


とっても皮肉なことなんですが、このガイドラインが大型店に課している課題って、むしろ大型店の方が達成できていて、中心市街地や商店街の方は未整備なものばかりなんですよね。

例えば、

・地域のイベントに場所を提供したくても、中心市街地にはホールもないし広場もないし駐車場もない。

・防犯・青少年非行防止についても、大型店の場合は定期的に警備員が巡回しますが、中心市街地には警備員はいません。

・ハートビル法やユニバーサルデザインについても、大型店はもちろん基準達成していますが、中心市街地は段差や不法駐輪等のハザードが溢れています。

…等々です。他にも、SCの方が進んでいる項目を挙げだしたらきりがありません。

ただでさえ大型SCはこのような対応が進んでいるのに、さらにガイドラインによって鍛えられることによってSCの魅力がアップしていくことになります。
逆に中心市街地の方が、もともと対応が遅れている上に、規制によって鍛えられることも無く十年一日のまま安穏としているうちに、SCとの差がますます開いていくという皮肉な結果にもなりかねません。

このガイドラインは、大型店に対してではなく、むしろ中心市街地や商店街に対して義務付ける方が、中心市街地や商店街のためには良いのではないかと思われるほどです。

北九州TMO[小倉都心地区]が行う8事業 (「こくらハローズ事業」「テナントミックス事業」「おもてなしトイレ事業」「マーケティング事業」「タウンモビリティ事業」「インフォメーション事業」「環境整備事業」「共通駐車券事業」)は、いずれもSCなら当たり前のように達成できていることであり、逆に中心市街地(小倉もそうですが)においては達成できていない基本的なことばかりです。
頑張って、小倉都心の魅力をアップさせたいものです。。。


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